<自治基本条例の意義>
「自治基本条例」とは法令上の用語ではなく、実際の条例の名称は、さまざまであり、「自治基本条例」、「町づくり条例」、「市民自治基本条例」、「行政基本条例」など、さまざまである。したがって確立した定義はない。
 自治基本条例とは、(1)住民自治の一層の促進と、(2)自治体自己革新を目指した、(3)最高で基本的な法規としての条例である。(1)(2)に関しては、憲法第92条の「地方自治の本旨」の内容が、「住民自治」、「団体自治」の2つの構成要素から説明されていることがヒントになっている。住民が自らの自治体を実現するために欠かせない契機として、「自ら治め、自らの自治体を実現する」ことが自治基本条例を制定する最も重要な目的である。そして、(3)に関しては、自治基本条例が他の個別条例や政策・施策・事業の全てに対して統制力を持ち(最高性)、それにより、自治基本条例が、それぞれの自治体にとって基本法となって各種の政策・施策・事業に対して縦割りではなく総合的な立場からの関与が可能となる(基本性)という機能が求められているのである
<自治基本条例の必要性>
(1)地方分権改革の一連の動きの中で、自治体の自己革新に向けたより一層の努力が求められていること。

(2)近年の住民意識の変化の中で、住民の自治体運営に対する参加と自己決定の要請が強まってきていること。

(3)近年の自治体の巡る厳しい組織・財政環境の中で政策立案とい実行に対する十分な検証と、効率的で総合的な政策運営が必要になってること。